深夜、
静まり返った部屋でパソコンの画面を開く。
そこに飛び込んできたのは、
NYダウが768ドルも下落したというニュースでした。
画面の向こうで慌てふためく人たちの気配が、
不思議と遠くの出来事のように感じられる。
そんな深い静けさのなかで、
わたしはただ、
画面の文字をじっと見つめていました。
世の中の投資家たちは、
ずっとひとつの未来を信じ込んでいたんです。
「この春には、きっともっと早いペースで金利が下がるはずだ」って。
それはまるで、
遠足の日の天気予報を全員で都合よく
「晴れ」に決めつけてしまうようなものでした。
みんなが頭の中に描いていたのは、
スムーズに目的地へ進むための完璧なスケジュール表、
いわば
「期待のダイヤグラム」だったんですよね。
けれど、
2026年3月17〜18日に開催されたFOMC――アメリカの中央銀行が金融政策を決める会議の結果は、
そのダイヤグラムをあっさりと書き換えるものでした。
政策金利は3.50〜3.75%で、
2会合連続の据え置き。
パウエル議長は記者会見で、
中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰がインフレを押し上げるリスクに言及し、
「経済へ与える影響の範囲や期間を判断するには時期尚早だ」「インフレ抑制に進展が見られないのであれば利下げは行われないだろう」と、
とても慎重な姿勢を示しました。
これって、
例えるなら、
お気に入りのテーマパークで
「次のアトラクションはすぐに乗れるはずだ」と思い込んで長い行列に並んでいたのに、
直前になって
「安全確認のため一時運転を見合わせます」とアナウンスが流れたようなものやと思うんです。
みんな
「えっ、話が違うやん」って動揺するけれど、
運営側からすればインフレの再燃や原油高という現実の安全確認が最優先。
市場が勝手に描き続けていた
「もっと早い時期での追加利下げ」という甘い期待は、
ここでパウエル議長の言葉によってブレーキを踏まれ、
見事に賞味期限を迎えてしまったんですよね。
専門家ではないから断言はできないけれど、
もしかすると市場の焦りそのものが、
自分たちで都合よく作り出したスケジュールに振り回されていただけなん違うかなぁ、
なんて画面を見ながら考えてしまうんです。
大きく下がった株価や、
上がった金利のニュースを見つめながら、
不思議と心は落ち着いていました。
人間は、
どうしても自分が信じたい未来を先回りして都合よく描いてしまう生き物なんですよね。
でも、
急に電車が止まったとき、
車内で慌てるのではなく、
窓の外の景色を静かに眺めるような、
そんな冷静な視点も時には必要なんだと思います。
期待の賞味期限が切れたあとに残るものは、
ただの絶望ではなくて、
現実のデータやファクトをフラットに見つめ直すための静かな時間。
焦らず、
地に足をつけてこれからの動きを見守っていきたい。
そう思いながら、
わたしはそっとパソコンの画面を閉じました。
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